iPhoneとリスクマネジメント
曇りながらも気温があがり、過ごしやすかった月曜日。
夕方、帰宅途中、近所の公園を過ぎると金木犀の香りがした。秋が段々深くなってくるんだなー。
今日のランチタイム、お昼ご飯を食べに行くため、iPhoneとお財布を持って一人で会社から出た。ついでに、近々会社の打ち上げで行く予定のレストランを確認しておこうと、地図アプリを見ながら歩いていたときに、手が滑ってiPhoneがアスファルトに落下。持ち上げてみると、ガラス面に全体にひびが入り、ボロボロになっていた。
それでも、基本的な操作はできるのがすごいのだけれど、細かく割れたガラスが手に刺さりそう。悲しいー。
私はよく誤ってiPhoneを落としてしまうので、落としても問題ないよう両面を覆うカバーをつけているのだけれど、操作中の無防備なときに起きた出来事だったので、防ぐことができなかった。
iPhoneの画面が割れてしまい、とても悲しい気持ちで一人ランチを食べているとき、iPhoneの直前にしていた操作や考えごとを思い出し、あれが悪かったんじゃないか、これが悪かったんじゃないかと後悔ループに入りそうだった。
だけど、これってリスクマネジメントの話だなーと考えたら、ちょっと後悔ループからはずれ悲しいモードから抜け出せたので、それをまとめておこうと思う。
プロジェクトマネジメントの教科書PMBOKによると、
プロジェクト・リスクとは発生が不確実な事象または状態で、もし発生した場合には、スコープ、スケジュール、コスト、および品質などの一つ以上のプロジェクト目標にプラス又はマイナスに影響を及ぼすもの
と定義されている。
つまり、リスクとは、起きるかどうかわからないけれど、もし起きてしまったとき、マイナス方向、プラス方向に関わらず影響力が大きいコトを指す。
そして、リスクマネジメントとはリスクやリスクによって起きる影響力をコントロールする方法だ。
具体的にすることは、
- 起こりうるリスクを洗い出し、その影響力や発生確率を見つもる
- 影響力の大きいものや発生確率が高いものに対して対応方法を計画する
- 実際にリスクが発生した場合には、対応計画を実行する。
で、iPhoneの話に戻る。
iPhoneを手に入れたときに、私は自分のそれまでの経験を振り返り”落下して損傷してしまう”というリスクを想定していた。それもきっと”高い確率”でおき、もし損傷してしまうと、買い直しなど”追加費用がかかる”から対応方法を計画する必要があった(そのときには、こんなに冷静に分析はしてなくて、感覚的になんとかしなくちゃ、と思っていただけですが)。
リスクに対する対応方法には以下の2つがある
- リスクが起きる可能性を最小限にするための予防策
- 実際に起きてしまった場合の緊急対応策
iPhoneの例での予防策としては、ケースに入れる方法の他、ひもをつけて落下そのものを防止する方法や、歩きスマホをやめ、常に鞄に入れる、または万が一に備えて保険に入っておくといった方法等が考えられる。そして、リスクの起きる確率とその影響力の大きさを勘案し、取るべき予防策を選ぶことになる。
私の場合には、自分の行動を変えるのは面倒だったので、最も労力が小さく、費用対効果が高そうな方法として両面カバーを選択した。実際、新しい機種に変更して何度か落としているけれど、今までは致命傷はなかったのでこの予防策は機能していたのだろう。
一方、緊急対応策は起きてしまった後の対応策。色々予防したって、人間のすることだから、リスクが現実のモノになる可能性はゼロにはできない。なので、万が一に備えて対応方法を予め考えておくことも大事だ。
iPhoneの例での緊急対応策は、落として破損してしまった後の行動に当たる。
破損したら、電話会社に連絡をして、交換に係る費用や期間を確認し、取り替える又は買い替えるの意思決定する。これが私の緊急対応策だった。
そして、その通りに実行したら、幸い無料交換の期間内だったため、追加費用がかからず対応してもらえることになった。
問題が起きてしまってから考えると、色々と調べたり決めたりしなくてはいけない上に、あれが悪かった、これをしなければと後悔モードや犯人探しモードに陥り、どうしても初動が遅くなってしまうけど、起きる前にリスクマネジメントを考えておけば、冷静に考えられるもの。
割ってしまったことは確かに悲しいことだし、今回の不注意で起きてしまったことは防げることもあったはず。
でも、それを悲しんで後悔ループに入るのではなく、これからのiPhoneの扱い方に前向きに活かすことにして、新しい交換機が来るのを待つことにする。