生産的先延ばし

 天気のいい日曜日だったので、布団を干した。

まだまだ暖かいが、公園の木々は少しずつ紅葉し、秋の深まりを感じる。

 

今週末、ケリー・マクゴニガルの”スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール”を読んだ。

この本では、25の課題に対する考え方を心理学、社会学的な知見に基づいて解説されている。日経ビジネスアソシエ誌面上での書き下ろし連載をまとめたもの、というだけあり、私たちが日常生活で悩みそうな課題とケリーさんご本人の体験談、そして対応策と具体的にどういう行動をとるべきかまで細かく記載してあり、至れりつくせり。すぐに役立ちそうだ。

 

その中で、自分が最もはまりがちな”やりたいこと、すべきことがたくさんありすぎて、思考停止して動けなくなる”という課題に対しても、うまく回答されていたので、そのルールを引用する。

Lesson 2 時間管理術について

ルール1 何でも完璧にやろうとしないこと

ルール2 時間を管理するのではなく、自分の性格や癖を管理すること

ルール3 「生産的先延ばし」を実行すること

➡最も気がかりに感じていること意外の仕事を「休憩(ブレーク)」と位置づけ、やるべきことを終わらせる”絶好のモチベーション”と考える

ルール4 忙しさは"ポジティブなストレス"なのだと、前向きに受け止めること

➡「人間は忙しい方が幸せを感じる」という研究成果もある

 

私がこの中で一番、なるほどーと思ったのはルール3の生産的先延ばしという考え方。

 

本の中では下記のように記載されていた。

やらなければいけないことを先延ばしにする癖を受け入れ、活用することも学びました。(中略)私はこれを「生産的先延ばし」と呼んでいます。

この「生産的先延ばし」は、スタンフォード大学哲学科名誉教授のジョン・ペリー氏から教わりました。彼は「ToDoリスト」の中に負担に感じる難題が1つあると、他の「やらなければならないこと」が輝いて見えることを発見しました。最も気がかりに感じていること以外のタスク(作業)を「休憩(ブレーク)」と位置づけ、やるべきことを終わらせる”絶好のモチベーション”と考えればいいのです。

 

私は、”やりたいこと、すべきことがたくさんありすぎて動けなくなる”ときは、まずは自分の頭の中にあることを全部紙に書き出す。でも、自分が行動する順番は、必ずしも重要性や緊急性が高いものではない。

明日提出しないといけない課題をするより、読もうと思って山積みになっている本を読み始めたり、部屋の片付けをしたりといった感じだ。そして、すぐにやるべきことを先延ばしにしている自分が誘惑に負けているなーと罪悪感を感じることが少なくなかった。

 

それに対して、ケリーさんは、”成功する人でもすべて計画通りに進められる訳ではなく、先延ばしにすることがよくあり、むしろ、それが効率的な方法だとと受け入れ、生産性を上げるために先延ばしを活用している。罪悪感を感じる必要はない”というポジティブなメッセージを本に書いている。

 

確かに、自分の過去の経験を振り返ると、一番気になることを先延ばしをすると、他にやるべきことが相対的に軽く感じられて、思った以上にサクサク進むことはよくあった。そして、寝ているときやぼーっと本を読んでいるときに、ぱっと一番気になることのいいアイデアが思いついて、急にやりたい火がつくことも少なくなく、”先延ばしがよい効果を生む”というのは、なるほど納得。

 

計画通りに進まない自分の癖を受け入れ、罪悪感を感じるのではなく、生産的先延ばしを活用して成果を出す。

今日は、これを活用し、洗面台の引き出しの整理と年末のホームパーティの計画が終わった。

 

一番気になることはまだ片付いていないけど、果報は寝て待つことにする。