記録することとメタ認知

昨晩は一日過ぎたスーパームーンが家のベランダから見えた。

毎日同じように過ぎていく気がするのに、月の満ち欠けを見ていると、確実に少しずつ違う毎日があることに気づかされる。

 

昨日の通勤中、”世界で大活躍できる13歳の学び(高橋和也)”を読んだ。

高橋さんは、教育界のノーベル賞と言われるグローバルティーチャー賞トップ10に選ばれた工学院大学附属中学校の先生。

この本では、中学生に向け、学ぶことの大事さ、面白さや、高橋さんが授業の中で取り入れている工夫が書かれていて、大人になってから”学ぶことは考えること、”学ぶことは楽しいこと”が理解できた私にも、気づきの多い本だった。

 

特に、記録することとメタ認知との繋がりの話が、私が日々感じていることと一致してすごく共感したので以下に抜粋する。

 私は学習習慣を身につけさせる最大の目的はメタ認知能力を鍛えることだと思っています。

 メタ認知能力とは「自分が何をしているのか」とか「何をやったのか」を客観的に見る力のことです。例えば何かある作業をしているとき、どこかでもうひとりの自分が「そこをもうちょっとこうすればいいね」などとコメントをしているような経験をしたことがありませんか。自分の行動や動作をどこからか眺めているような感じです。このように、自分が意識的に何か行っていることをさらに別の視点から意識する力のことをメタ認知と呼びます。メタ認知能力を鍛える最も簡単な方法は、スケジュール帳をつける習慣をみにつけることです。(中略)

 つまり、スケジュール帳をつけていると、自分を客観的に見たり、何が必要なのかを考えるようになり、自分が学んでいることに対して主体的に関わるようになるのです。(中略)

 この訓練はゴールから今の時点を逆算して考えるというきわめて重要な能力が身につきます。

 

以前、自分の頭の記憶力に依存せず、外部記憶装置としての記録することの大事さについてについて書いたことがある。

メタ認知ということは考えていなかったけれど、記録すると客観的に過去の経験を振り返り、何が必要なのか俯瞰して考えてやすくなるなーと日々感じている。

 

例えば、何かのイベントに遅刻してしまったとき。

頭の中で考えているだけだと、私は最後の5分間がうまく進まなかった言い訳がまず頭に浮かんでしまう。”出がけに電話がかかってきたから”とか”家族の支度が遅かったから”とか。そして、”今回はしょうがなかった”と結論づけてしまいがち。

 

でも、実際にスケジュールを書き出してみると、そもそも準備を始めた時間が遅かったり直前に色々慌てたり。最後の5分間だけでの問題ではないことが見えてくる。

そして、今回だけではなく、いつも、ぎりぎりで準備するという自分の行動の癖も見えてくる。

 

客観的に振り返り、俯瞰して考えることは、自分の行動を変える第一歩だ。そして、この客観的に俯瞰して眺めることが”メタ認知”ということなんだと思う。

 

正直言って、自分の行動の癖に向き合うことは、必ずしも楽しいことばかりでなく、もやもやしたりがっかりすることも多い。でも、それに向きあえれば成長あるのみと、勇気を振り絞る。