”高山なおみのはなべろ読書記”と一人ランチ

夏の名残があった先週から一変、肌感覚もすっかり秋になり、薄い長袖シャツ一枚では心もとなくて、今期始めてレザーのジャケットを着て出かけた。

 

青空と涼しい気候に誘われ、外で一人ランチ。お供は、料理家・高山なおみさんの”高山なおみのはなべろ読書記”。

 

この本は、高山さんが暮らしの中で読書しているシーンを切り取り、その本の中に出てくる生活臭、特に料理の匂いや味を、高山さんの言葉で表現した読書×料理の本。

読んでるだけで、お腹がすいてくるので、外ランチがより一層美味しく感じる。

 

高山さんの言葉は、両足をどっしり地につけ、すくっと一人で立っているのに、夢見がちなメルヘンとロックの羽を持っているような自由さがあり、そのアンバランスさが読んでいて切なくなる。

 

なので、高山さんの料理の本よりもエッセイ集が大好きで、特に”日々ごはん”という高山さんの日記+料理メモのシリーズには影響をいっぱい受けた。

 

”日々ごはん”では、高山さんの日々がちょっと赤裸々に綴られている。布団でゴロゴロ横になりながら毛布をかぶって本を読んだり、急に思い立って家中にぞうきんがけをしたり。

私は”大人の女性というのは、毎日規律正しく、きちんとした生活を送っていなければならないもの”という固定観念があったのだけど、本を読みながら、大人だってこんなに自由でいいんだ、”べき”に捕われなくていいんだーと目から鱗が落ちた気がしたのをよく覚えている。

 

そして、私が自分の暮らしの”なりたい姿”を考えるときに、文の中でしか知らない高山さんのお家で催されるお友達とのパーティーや、いい匂いのするスープが煮たった台所が真っ先に思い浮かんだりする。言葉の影響って大きいな。

 

高山なおみのはなべろ読書記”を読んでいると、高山さんの目を通して本を読み、その中の料理の匂いをかいでいるような感覚がとても楽しい。

 

全部一気に読むのがもったいないので、のんびりできそうで、かつ美味しい料理が出てきそうな店の隅を確保して、少しずつ読みすすんだ。

幸せなランチの時間。