未来食堂 食堂×エンジニアリング

 

外を歩くと太陽が眩しく、夏が戻ってきたような暑い日だった。

 

さて、今朝、ネットニュースを巡回していたら、私が最近注目している未来食堂の記事が載っていた。

未来食堂はもともとITエンジニアだった女性が始められた東京・神田にある食堂で、ITのオープンソースソースコードを広く公開して誰でも扱えるという考え方)を食堂運営に応用していて普通の食堂とはまったく違ったやり方がとても新しくて面白い。例えば、あつらえ(在庫の材料でお客さんのリクエストで一品作ってくれる)やまかない(お手伝いをすることで食事が無料になる人)、ただめし(お店に貼っているポストイットをはがして一食食べられる)など。そういう自由な考え方があるのかーとオープン当時から着目していた。

未来食堂のホームページはこちら

 

上記ASCIIの記事で参考になったのが、機能を分割化しバッファを設けるという考え方。

小林 おっしゃる通りです。未来食堂には、大きくわけて“3つの機能”があるんですね。「洗い場」、「調理」、「配膳」とあって、最大3人が一緒に働いています。

―― 小林さんと「まかない」の人が2人いるケースですね。

小林 そのときに何が大切かというと、それぞれの持ち場の境界線、交わるところの待ち時間を少なくすることが大切なんです。

(中略)

まず「下げもの」の台です。飲食業界でバッシング台といいますが。これは配膳から洗い場への「バッファ」になっています(図の2)。もしバッファがゼロだ とすると、調理側で料理が出来ても、配膳に手渡すまでずっと調理の人がお皿を持ったまま待つ事になります。それで、未来食堂では木の台を用意して、出来た 料理を次々に置く。そうすることで調理ー>配膳の待ち時間をゼロにしているのです。

 

 洗い場、調理、配膳と機能を分けて、それぞれができるだけ独立して作業を進められる(次の持ち場の人を待たなくていい)よう、バッファ(緩衝剤)としてスペースを設けているそう。

家庭のキッチンでも、コンロの横に材料を置けるスペースを作ったり、配膳台や洗いものを置くスペースがあると、下ごしらえ、調理、配膳、洗い物が独立して行えるので、同じような仕組みかな、と思うのだけど、バッファという言葉の使い方や細かく機能分析して、工場の生産管理みたいな言葉で、食事作りを語っているのがすごく面白い。

 

他にも、調理後にお皿に盛る付け合わせ(後ガロ)を調理前にお皿に盛る付け合わせ(前ガロ)に変えることで、調理をしないと後ガロが付けられないという直列型の業務を調理と並行又は前もって前ガロが準備できる並列型に変え、それにより食事に準備の効率化や時間の短縮を図っているという話も面白い。

付け合わせの機能に着目して、頭の中にある”こうあるべき”という枠を一度はずして考える。まさに食堂×エンジニアリングだなー。

 

こういうエンジニアリングの技術は、家庭内の定常業務の効率化にも役に立ちそうなので近いうちに一度行って、生の作業を見てみたい。

 (定常業務についてはこちらを参照ください)